不動産コンサルティング技能試験に約2週間で合格した「独学勉強法」

 日本のいわゆる不動産資格である「公認 不動産コンサルティングマスター(旧称:不動産コンサルティング技能登録者)」に係る認定試験である「不動産コンサルティング技能試験」に約2週間で合格した「独学勉強法」をご紹介したいと思う。
以下、この記事で述べる「独学勉強法」は、このブログ・記事の筆者自身の実際の経験(一発合格体験談)に基づくものである。

1.不動産コンサルティング技能試験とは、何か。

 「不動産コンサルティング技能試験」は、「公認 不動産コンサルティングマスター(旧称:不動産コンサルティング技能登録者)」という名称の資格に係る認定試験だ。これは、旧建設省(現在の国土交通省)の告示に基づくものであるため、いわゆる「公的資格」の性格を有するものとなっている。

「不動産コンサルティング技能試験・登録事業」

 「不動産コンサルティング技能試験・登録事業」は、平成4年7月2日付建設大臣告示第1277号「不動産コンサルティングに関する知識及び技術の審査証明事業認定規程」による認定制度として発足した。不動産コンサルティングに関する試験を行い、合格者を「不動産コンサルティング技能登録者」として公益財団法人不動産流通推進センター(旧称:公益財団法人不動産流通近代化センター)に登録し、「不動産コンサルティング技能登録証」等を交付することにより、不動産コンサルティングに関する一定水準の知識及び技術を有していることを証明するものである。

「不動産コンサルティングの定義」

 「不動産コンサルティング」とは、「依頼者との契約に基づき、不動産に関する専門的な知識・技能を活用し、公正かつ客観的な立場から、不動産の利用、取得、処分、管理、事業経営及び投資等について、不動産の物件・市場等の調査・分析等をもとに、依頼者が最善の選択や意思決定を行えるように企画、調整し、提案する業務」をいう。

 詳しくは後述するが、筆者の試験勉強の経験上、2016年現在も、比較的、合格しやすい試験であるゆえに、ぜひとも受験を勧めたいものと考えている。
ただ、この資格試験を受験するためには、いわゆる「受験資格」として、次の各号に掲げる要件のうち、いずれかが備わっていなければならないこととなっている。

  1. 宅地建物取引士(宅地建物取引主任者)資格登録者であること
  2. 不動産鑑定士であること
  3. 一級建築士であること

 上記のとおり、これらの要件のうちのいずれかを満たしている状態になければ、そもそも受験することができない。つまり、受験者の対象を限定している資格試験なのである。
受験資格・要件となっているこれらの各不動産資格「宅地建物取引士」「不動産鑑定士」「一級建築士」に係る試験のそれぞれの過去の合格率の推移をみる限りにおいては、やはり、宅地建物取引士(以下、宅建士)試験の合格からのステップアップという流れで、この試験に挑戦することが最も近道であるとともに、効率的かつ有利であることは間違いなく明白である。というのは、不動産鑑定士又は一級建築士の取得は、宅建士の取得とは比べものにならないほどに難しく、かなりの困難を伴うためである。
したがって、宅建士試験の合格者は、是非とも、この「不動産コンサルティング技能試験」にも挑戦し、いっそのこと、「公認 不動産コンサルティングマスター」資格も、“つまみ食い”をしてみてはどうかと思うところである。
そこで、筆者が身をもって知り得た「受験対策上のポイント」について皆様と共有したいと思う。

2.宅地建物取引士試験に合格した年度の翌年に受験せよ!

 宅建士試験の合格からのステップアップという流れが最も近道であり、効率的であることは上述のとおりだが、試験問題の出題範囲をみても、宅建士試験との共通点がかなり多いことがわかる。
しかしながら、試験で覚えた知識を長期間にわたって維持し続けることは、基本的には困難なものである。ということは、やはり、宅建士試験の受験後、早いうちに、不動産コンサルティング技能試験を受験したほうが得策であると言うことができる。
したがって、宅建士試験に合格した年の翌年の試験に挑戦することが最も望ましいこととなる。
また、この「不動産コンサルティング技能試験」には、先ほど述べた「受験資格」が存在するゆえに、当該受験資格を満たし得るのは、両者の資格の例年の試験日程の関係から、最も早くて、宅建士試験を受験した年度の次の年、すなわち翌年度ということになるのである(*)。
宅建士資格とのいわば“ダブルライセンス”で、不動産に関する知識が深まることのみならず、将来的に、自らの業務の幅が広がることは言うまでもなく、会社員であれば、人事評価・社内評価も格段に上がることは間違いない。
なお、不動産コンサルティング技能試験に合格しても、すぐに「公認 不動産コンサルティングマスター」の称号を与えられるわけではないことに注意してほしい。というのは、試験の合格後、一定期間の実務経験がなければ当該資格登録ができない。このことからも、この試験の受験自体は、早ければ早いほど望ましいのである。
したがって、やはり、宅建士試験に合格したならば、筆者と同じように、できる限り早い段階で、すなわち翌年度には受験すべきものであり、それがベストタイミングだと思う。

(*)宅建士試験に合格後は、一定の手続きを踏むことにより、宅建士としての資格登録を行うことができ、そのうえで、更に、宅建士証(身分証明書)の交付を受けることが可能であるが、この一連の手続きには一定程度の時間を要する。このため、宅建士試験と同年度の不動産コンサルティング技能試験では、その受験資格を満たすことができないゆえに、そもそも、同年度内の受験が不可能なのである。なお、念のため言っておくと、当該受験資格については、宅建士証の交付までは必要がなく、資格登録までで良いこととなっている。

3.受験参考書は“過去問題集のみ”で合格できる!

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 筆者は、自らの経験に基づき、この試験の受験対策のための「教科書(基本書、基本テキスト)」については、これがなくても、十分に合格できるものと考えている。なぜかというと、まず、満たさねばならない受験資格のとおり、宅建士試験の合格者であれば、この試験の出題範囲に係る全体像を既に把握し得るからである。実際に、筆者自身も「過去問題集」のみによって学習・勉強を進めたが、結果として、いわゆる「教科書」を一切使わずに、合格することができた。
したがって、宅建士試験の受験経験者・合格者であり、これにより、既に全体像を把握し得る以上、早速、過去問題集の解答に取り組んでも、大きなストレスにはならないだろう。つまりは、宅建士試験の勉強において、既に「インプット」の勉強が終わっているゆえに、この試験では、いきなり「アウトプット」の勉強に臨むことが可能なのである。
通常、資格試験の勉強というのは、基本的には、「教科書」で全体像を掴み、その後、「過去問題集」を解くというプロセスを踏んでいくだろうと思われる。言い換えれば、第一に、知識を詰め込む「インプット」、第二に、知識を吐き出す「アウトプット」という学習の流れが一般的であろう。いきなりアウトプットから始めてしまうと、ある問題の論点(出題分野)について、その全体における位置付けが掴めず、これにより、そもそも、自分自身がどの部分を勉強しているのか、あるいは、何が何だかわからず、問題の解答が進まないばかりか、理解もスムーズにはいかない。むしろ、正確な理解の妨げになることすらあり、これにより、かなりのストレス要因となってしまう。
しかしながら、不動産コンサルティング技能試験の場合、受験者は宅建士試験の合格者であることが前提となっている。これゆえに、両者の試験の出題範囲の共通性からみても、インプットの勉強(教科書による全体像の把握)を省略することができる、ということなのである。
筆者の場合は、「過去問題集のみを使った勉強」で、結果的に、本試験では、200点満点中146点(正答率73%)を得点することができた。過去問題集を実際に解き始めたのは、本試験日の約2週間前(約14日前)からであったが、その期間内において集中的に、過去3年分の本試験の問題の解答及び見直しの作業を3回程度又は部分的にはそれ以上の回数、何度も繰り返した。
筆者の合格体験談から言うと、いかに過去問題集を丁寧に幾度となく繰り返すか、この試験の合否は、このことだけにかかっているといっても決して過言ではないと思う。筆者は、経験者として、このように確信するに至ったのである。
以上のとおり、筆者自身の経験に基づく「一発合格のための独学勉強法」における最終的な結論は、試験対策・受験対策上のポイントとして、過去問題集の問題の解答・見直しの作業を丁寧に何度も何度も繰り返していくこと、たったそれだけということである。

4.合格基準点は55%〜60%程度!合格率は例年40%以上!(2017年1月現在)

 「合格基準点」は、例年、200点満点中105点から125点程度であるから、したがって、少なくとも、概ね55%〜60%程度の正解・得点で合格できるということになる。年度によって多少の差はあるが、そもそも、それほど高いとは言えない試験実施結果の概要(統計情報)が発表されている。200点満点中において、半分と少し正解し、得点ができれば合格圏内に入るのだから、合格基準点は、他の不動産資格と比較しても、むしろ、相対的に低いといってもよいであろう。また、「合格率」について言えば、例年40%以上であり、これは、かなり高めの数値であると言ってもよいと思う。このことから、他の不動産資格の試験との比較という観点から言えば、この不動産コンサルティング技能試験は、相対的に低い「合格基準点」と、相対的に高い「合格率」であり、合格し易い試験ということとなろう。
ということで、この数字をみてもわかるとおり、試験の難易度は、決して、そう高くはないと思う(実際に受験した筆者もそのように感じた。)。とは言え、宅建士合格者だからと言って、まったく勉強をせずに合格できるかといえば、決してそうではない試験内容であり、出題内容でもあると感じた。つまり、何の準備もなく試験に臨んでしまうと、合格は、さすがに困難であると思う。その最大の理由としては、例えば、論述問題や計算問題など、独特の出題形式が存在するからである。これに関しては、是非とも、本屋で立ち読みをするなりして、この試験の過去問題集の内容を実際に目で確認してほしいと思う。
また、先に述べたとおり、この試験実施結果の統計数値をみる限りは、仮にも、落ちたなんてことは、両親・友人・知人・同僚等に対して、恥ずかしくて到底言えないことであろうと思われる。少なくとも、受験勉強をしていた頃の筆者はこのように思っており、この試験は、必ず一発で合格しなければならないものであると、本当に、強く自分に言い聞かせていた。これにゆえに、少なくとも、過去問題集は、収録されている全ての問題(過去3年分)を解答し、答え合わせをし、見直しをして、更にこの一連の同一の作業を飽きるほど何度も何度も繰り返し、かなり丁寧に、こなしたほうだと思う。その甲斐あって、結果的に、200点満点中146点(正答率73%)という成果を残すことができた。
つまりは、この過去問題集、1冊のみを決して疎かにすることなく、これを唯一の教材、唯一信ずべき教材として、きっちりと学習・勉強すれば、間違いなく確実に合格できるということである。おそらく…、というよりも、感覚的に、ほぼ確かであろうこととして、筆者が思うに、この試験の“不合格者”は、残念ながら間違った勉強方法を実践してしまったか、あるいは、多くの場合、勤めている企業・会社から受験するよう強制され、しかしながら、忙しくてほとんどまともに勉強ができずに本試験を迎えてしまったか等々、こういうことであろうと思う。
最後に、前述において、この資格試験の「合格基準点」と「合格率」をみると、比較的、合格し易い試験であると指摘したが、やはり、そうは言っても、決してバカにしてはならないと思う。というのは、過去問題集、たった1冊のみで必ず合格し得る資格試験なのであるから、したがって、少なくとも、過去問題集くらいはきっちりと完全にこなして、確実に合格を勝ち取ってほしいものと思っている。その際に、上述の繰り返しとなるが、過去問題集を解くに当たっては、やはり、一定程度、前提となる知識が必要不可欠であるがゆえに、宅建士試験が終わってから何年も経過してから受験するよりも、宅建士試験の知識がすっ飛んでしまわないうちに、すなわち宅建士試験に合格した年の翌年(次年度)に受験してしまったほうが明らかに得策であることを再度強調して、この記事を終わりたいと思う。
ぜひとも、超効率的に、かつ確実に合格を勝ち取っていただき、なおかつ、宅建士資格とともに、ダブルライセンスにより、この不動産資格「公認 不動産コンサルティングマスター」をも、自身の将来に活かしていただきたいと思うところである。

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